新型コロナウイルスの影響により、ネットショッピングの利用者は急激に増え、EC市場は著しい発展を遂げました。
しかし、実際の物流現場では人手不足や長時間労働などの問題により、ECの需要増に対応することができず、多くの事業者が頭を悩ませています。
今回は、物流の効率化を目指す事業者に向けて、物流改善のポイントや効率化の方法をご紹介しますので、ご参考にしていただければ幸いです。
株式会社テルヰでは、50年以上に渡って積み上げてきた物流の知識をもとに、お客様一人一人が抱える課題をいち早く解決させることに尽力してきました。
物流業務を改善したいと考えている方は、是非一度ご相談ください。
しかし、実際の物流現場では人手不足や長時間労働などの問題により、ECの需要増に対応することができず、多くの事業者が頭を悩ませています。
今回は、物流の効率化を目指す事業者に向けて、物流改善のポイントや効率化の方法をご紹介しますので、ご参考にしていただければ幸いです。
株式会社テルヰでは、50年以上に渡って積み上げてきた物流の知識をもとに、お客様一人一人が抱える課題をいち早く解決させることに尽力してきました。
物流業務を改善したいと考えている方は、是非一度ご相談ください。
物流業界の3つの課題

物流業界で効率化が重要視されている理由には、主に次の3つが関係しています。
- ドライバーの人材不足
- EC市場の拡大による荷物量の増加
- 物流コストの上昇
まずは物流業界で直面している課題をしっかり理解して、効率化の足掛かりにしましょう。
ドライバーの人材不足
現在日本では、トラック運転者の人材不足が大きな問題となっています。
人材が不足している原因には、少子高齢化の進行と労働環境の悪化の2つが関係しているので、業界全体の体質改善が最重要課題です。
国土交通省によると、トラック運転者の人口は40〜54歳が割合として最も大きく、29歳以下の若年層は全体の10%以下というデータが出ています。
若手ドライバーが少なく、ベテランドライバーの多い現状のままでは、今後の物流業界の需要拡大に対応できなくなり、問題はさらに深刻化していくでしょう。
また厚生労働省の調べによると、トラック運転者の年間労働時間は2022年時点で『大型トラック運転者』が2,568時間で『中小型トラック運転者』が2,520時間です。
どちらも『全産業平均』の労働時間2,124時間より、約400時間以上も長いので、業界全体で労働環境の見直しが必要だということが分かります。
2024年4月から働き方改革で残業時間の上限規制がされていますが、長時間労働の実態には正面から向き合い、適切に対応しましょう。
トラック運送業の現況について(国土交通省)
トラック業界の現状(厚生労働省)
EC市場の拡大による荷物量の増加
最近ではECサイトなどのネットショッピングの需要も拡大していて、個人向けの小口配送の配達量が増加しています。
実際は、令和5年の日本国内のBtoCのEC市場規模は24.8兆円、宅配便取扱個数は50億733万個であり、どちらも前年度より数値が伸びているという結果となりました。
ECの需要の波は物流業界に大きな負担を与え、トラックドライバーの作業量の増加や長時間労働の要因にもなっているので、注意しましょう。
令和5年電子商取引実態調査(経済産業省)
令和5年宅配便・メール便取り扱い実績について(国土交通省)
物流コストの上昇
特徴 | 内訳 | |
---|---|---|
運送費 | 配送にかかる費用 | 配送人件費/車両リース費/燃料費/運賃など |
保管費 | 倉庫に在庫を保管する費用 | 賃貸料/光熱費/保管料/倉庫人件費など |
荷役費 | 入荷と出荷にかかる費用 | 入庫費/出庫費/梱包費/輸出時の諸経費など |
物流管理費 | 物流を管理するための費用 | 社内物流費/調達物流費 |
物流コストとは商品が作られてから消費者のもとに届くまでの費用のことで、内訳は上記の表のようになります。
中でも燃料費は、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響で高騰し、経営を圧迫するようになりました。
日本国内の配送方法はトラック輸送が主流なので、燃料価格の変動には常に関心を持つようにしましょう。
物流改善の5つのポイント

物流改善策を提案するためには、下記の5つのポイントを中心に考える必要があります。
- 物流コストを減らす
- ミスをなくす
- 3M(ムリ/ムダ/ムラ)をなくす
- 作業効率を上げる
- 作業工程の管理をする
次の項目でそれぞれ詳しく解説していきます。
物流コストを減らす
輸送/運送にかかるコストは全体の5〜6割を占めていますが、輸送時の燃料費や人件費といった部分のコストは簡単に削ることができません。
そのため物流コストを削減したいと考えている場合は、その他の部分で無駄がないか調べる必要があります。
倉庫や物流センターの作業で改善点が見つかる可能性もあるので、まずは倉庫内の課題を一つ一つ洗い出すようにしましょう。
ミスをなくす
物流は人の手で行う作業が多いので、人為的なミスが発生しやすく、誤出荷が起こることもあり得ます。
人為的なミスによる誤出荷を防ぐためには、出荷時に起こりがちなミスについて理解しておく必要があるでしょう。
- 注文と違う商品を発送してしまう
- 注文内容と商品の個数が異なる
- 配送先の宛名が違う
- データと実際の商品の内容が異なる
- 積み残しや積み忘れによる商品の紛失
具体的には上記の5つがポカミスとして多いようです。
これらのミスを改善するためには、教育制度の見直しやダブルチェックの導入など、簡単な改善策から始めるようにしましょう。
3M(ムリ/ムダ/ムラ)をなくす
物流改善するに当たり、3Mを見直すことは重要な作業です。
まずは3M(ムリ/ムダ/ムラ)について、言葉の意味を詳しく解説していきます。
- ムリ:物流業務を行っている人材の持つ能力を超えて、業務を行っている状態のこと。
- ムダ:能力の高さに対して、求められている仕事量が少なく、過剰に人員配置している状態のこと。
- ムラ:ムリとムダの両方が混在しているため、作業が不安定な状態のこと。
物流現場においての3Mは、人員配置が適切に配置されていないことが要因として挙げられますが、日によって入荷や出荷の数量にばらつきがあるため、調整することは難しいです。
3Mをなくすには人材配置の最適化よりも、機器やシステムの導入を優先し、人の手に頼らない物流を目指すようにしましょう。
作業効率を上げる
作業内容が複雑で時間がかかっているものを、シンプルで分かりやすくしたり、作業動線やレイアウトを変更することは作業効率を上げるうえで効果的です。
他にも物流現場における作業員一人当たりの生産性を計るために『マテリアルハンドリング』を用いて、現場の課題を見つけるのも良いでしょう。
改善策を提案する場合には、倉庫の状況把握がしっかりできているベテランの作業員の意見も聞くようにしてみてください。
作業工程の管理をする
現場の課題を改善するためには、物流の各工程で誰がいつどのような作業を行ったのかの実績を収集して、データを分析することが大切です。
実績を収集する際、現場担当者に作業記録を管理してもらうことも一案として挙げられますが、現場の仕事を増やす行為は負担の大きさから考えても良い方法とは言えません。
万が一誤出荷が発生した場合でも、迅速に対応できるように物流をIT化し、リアルタイムで対応できる体制を整えておくことが必要でしょう。
物流総合効率化法とは

物流総合効率化法は、二以上の者が連携して、流通業務(輸送、保管、荷さばき及び流通加工)を一体的に実施するとともに、輸送網の集約、モーダルシフト、輸配送の共同化等の輸送の合理化二より流通業務を効率化し、物資の流通に伴う環境負荷の低減及び流通業務の省力化を図る事業に対して、その計画の認定、関連支援措置等を定めた法律です。
国土交通省が定めた『物流総合効率化法』は輸送網の集約、モーダルシフト、輸配送の共同化などを推進している事業者を補助する制度で、認定を受けた事業者は次の3つのメリットを受けることができます。
- 法人税や固定資産税、都市計画税の特例措置
- 市街化調整区域等における特定流通業務施設の開発許可
- 運航経費等の一部補助等
物流総合効率化の要件を満たす企業として国から認められると、税制面での優遇が受けられるだけでなく、環境に配慮していることが企業のイメージアップに繋がるでしょう。
物流総合効率化法(国土交通省)
物流業務を効率化する4つの方法

物流業務を効率化したい方は、次の4つの方法を試してみてください。
- 物流拠点/輸送網の見直し
- 現場の作業の単純化
- 物流システムの導入
- 物流業務のアウトソーシング
下記項目でそれぞれ詳しく解説していきます。
物流拠点/輸送網の見直し
分散していた倉庫や物流センターなどの物流拠点を、一か所にまとめることで輸送ルートを減らすことができます。
それ以外にも、物流拠点にかかる賃料やトラックの稼働台数の削減も可能なので、配送業務の効率化になるでしょう。
現場の作業の単純化
倉庫内の作業手順をひとつひとつチェックして、無駄な工程を見直すことも大切です。
普段何気なく行っている作業も本当に必要なのか考えれば、少ない人手でも業務を効率的に行うことができるでしょう。
物流システムの導入
WMS(倉庫管理システム)は物流の一連の工程を機械化/デジタル化し、管理することができます。
入出庫管理や在庫管理をデータベース化し、倉庫スタッフの業務負担を削減したい方は是非導入しましょう。
物流業務のアウトソーシング
自社で行ってきた物流業務を物流専門業者に包括的に委託するのも効率化を目指すうえで良い方法です。
物流業務を外部に委託することで、物流にかけていた人手やコストを最適化することができ、他の業務に時間を使えるようになるでしょう。
株式会社テルヰでは物流代行サービス『HIGHLOGI』を始動し、お客様の物流課題の解決をサポートします。
詳しいサポート内容について気になる方は、下のバナーをクリックしてみてください。
物流の効率化の成功事例

次の項目では実際にあった物流の事例をもとに、適切な課題の解決方法について解説します。
アウトソーシングで物流課題を解決
【課題】
アパレル業界では、ささげ業務や縫製加工などの業務は工程ごとに場所が異なるため、委託先の拠点間の距離によってはリードタイムが無駄に発生している状況でした。
【改善】
フルフィルメントタイプの物流センターにアウトソーシングすることで、アパレル特有の物流業務を管理できる体制を整え、リードタイムの短縮にも成功しました。
在庫管理システムの導入で物流課題を改善
【課題】
海外からの輸入品を多く取り扱うある倉庫では、賞味期限間近の商品を間違えて出荷してしまい、配送先からクレームを受けたことがありました。
【改善】
海外の商品でも商品の情報を一目で確認できるように在庫管理システムを導入し、作業を簡単にしました。
倉庫を改装して保管効率アップ
【課題】
事業を拡大しようと考えているが、倉庫の空きスペースが足りない。
【改善】
倉庫内の空間を有効活用するため、2階や中2階を作って対応した。
通常増築をすると費用が多くかかってしまいますが、中2階を作るのであれば費用を抑えつつ、保管効率を上げることが出来ます。
物流効率化のための補助金

この項目では、物流業務の効率化のために行動している事業者を対象にした補助金制度についてもご紹介します。
2025年1月時点では、物流効率化に取り組む事業者向けの補助金の情報はありませんが、2024年度には下記の補助金が公募されていました。
- 物流効率化に向けた先進的な実証事業
- 自動配送ロボット導入促進実証事業
- その他各都道府県で実施している補助金制度など
補助金は公募期間が基本的に短く、予告を見逃すと対応に遅れてしまうので、利用できる補助金が無いか、適宜調べておく必要があるでしょう。
物流業務をアウトソーシングしたい方はHIGHLOGI

自社で行う物流に限界を感じていて、外部委託を検討している場合は株式会社テルヰの物流代行サービスがオススメです。
サービス内容を3つほど解説しますので、どうぞ最後までご覧ください。
在庫管理システムで物流を自動化
HIGHLOGIはお客様の期待を超えるサービスを提供するために在庫管理システムを導入し、業務の効率化をサポートします。
在庫管理システムとは、企業で保管している商品の数量や品質、賞味期限などの情報を入荷から出荷までの間、正確に管理するものです。
利益を最大化させるためにも在庫管理システムを活用し、在庫量を常に適切な状態で維持しましょう。
物流戦略でコストと効率を大幅改善
長年の間、幅広い業界/業種の運送サービスを行ってきた弊社独自の視点で物流戦略を提案し、在庫管理の改善/配送経路の最適化を行うことができます。
物流プロセスの最適化は、業務効率と顧客満足度の向上にも繋がりますので、これを機にアウトソーシングを検討してみましょう。
物流拠点を東京近郊に移動
HIGHLOGIでは物流拠点を関東の主要エリアである、神奈川/千葉/埼玉に移し、配送時のコストを最適化させることができます。
迅速かつ正確な配送で、ビジネスを物流からサポートしていきますので、信頼できる会社に頼みたいと考えている方は是非お問い合わせください。
まとめ

今後もEC市場はますます拡大していくことが予想されますので、物流業務の効率化は現場にとって重要な課題になります。
株式会社テルヰではお客様の力になれそうなことはどんなに小さなことでもフォローしていきたいと考えていますので、お気軽にご相談ください。